たまにFA制御装置関連の修理問い合わせが有るので書いておこうと思う。
生産技術や現場エンジニアで手に負えない場面に於いては有益な得意先と成ると
考える。
無線分野から離れた実務的な話に成るので興味の無い方は読み飛ばして頂きたい。
装置トラブル
いつも思う事だが品物を作ったり二次加工へ回す際、納期設定が頭をよぎる。
午前9時※から操業を開始して完成品を一括して17時の輸送便に乗せるとか
完成の都度、ロットに纏めて出荷する等、企業によって出荷パターンは変化する。
(※実際の段取りや暖気運転、所謂カラ運転は数時間前から行って居るのだが・・)
これには生産設備の信頼性が100パーセントで有る事が大前提で、装置不調で
生産が止まると(納入遅れ・人件費ロス・営業部門から矢の催促)等の
プレッシャーが掛かり神経を磨り減らす事に成る。
設備投資が旺盛な企業では生産設備の予備機(俗に云うスタンバイ機)を持って
ローテーションして使うのだが、ピーク生産時には遊ばせて置く事は出来ず
段取り替えを行い全ラインをフル稼働で回す事が一般的だ。
運転率が低いラインや装置を連続で使うと、トラブルが発生する可能性が
非常に高い。まめにメンテナンスをしている筈なのだが、何故か生産中に精度が
出なく成ったり、ダンマリ停止したり不可解な挙動をして悩まされた経験は
無いだろうか?
内線電話で怒涛の如く・・・
・普段のメンテを碌にしてない!とか
・装置のローテーションがおかしい!とか
・まともに調整してないじゃないか!とか
・技術部門は普段偉そうな事を云ってるのに、何だこのザマは!とか
このやろう
このヤロー(泣)
普段の鬱憤が爆発※したように当られる事は幾度も有るだろう。
我々エンジニアとしては、稼動部(リニアとかエアシリンダ、ロボットアーム等)
のメンテナンスに目が行きがちだ。限られた時間内に整備をすると成ると
どうしても部分点検のみで終わらせて仕舞う。
(※これで喧嘩になる場合も・・・ 笑)
常にフル生産を強いられる環境であれば、装置が停止する時間は一日30分も
無いという現場も有る。簡単な稼動部故障であれば高速をブッ飛ばして部品メーカ
に行き緊急調達と云う手も有るが、殆どの場合故障ポイントの切り分けに半日も
費やして仕舞うパターンも多い。
(喧嘩の元、RUNしてるが先日の夜ダンマリ停止 これから開腹手術に入る 笑)
メカ故障であれば、その場で何とか出来るのだが制御系がトラブった場合は
手当てが殆ど出来ない。特に装置納入から30年程度経過※した物は今日は順調に
動くがいつ不具合が出るか解らない。制御系のリニューアルを考えて居るのだが
図面が散逸したり、改造で元の動作意図から外れたりして手を出したく無い
と云う人間の心理を機械は逃さない訳だ(笑)
(※ティーチングには専用の端末が必要だが、それすら無いとか色々)
本来であれば事前に現代の部品を旧機種に併せて動作せしむるレトロフィット
改造をすれば良いのだが、上記の如く時間を取れない事が問題をややこしくして
居る。更に制御系部品単体のリペアは困難を極める事が多い。
特に他に代替が利かない物はどうするか?ましてや時間も無い。
前置きがダラダラ長く成ったが、この悪手トラブルを解消する専門企業が有る。
板橋所在のLOVEOXで有る。
この企業は日本の生産設備業が電子化するのに併せニーズを掴んだ企業で
修理技術も非常に高い。特にシーケンサ修理やサーボドライバの復旧に関しては
トップレベルと云っても過言では無い。
メーカでも断られた機種や全損に近い電装品をイチから再製作する事も可能で有る。
それともうひとつ。以前にも紹介したがベルフォアジャパンも有る。
こちらは装置水没、火災の際に頼りに成る企業だ。
装置の心臓部で有るシーケンサ等が水没したり火災にあった場合、外観、内部
クリーニングを依頼してからLOVEOXに分業修理※に出すと云う方法も有る。
(※それぞれに支払)
但し、どちらも修理やリペア難易度により請求金額が超高額になる場合も有るので
真に代替の無い場合を除いては、自前でオール・リニューアル改造をした方が
遥かに安い場合もあるので良く検討されたい。
(そうも云ってられないと思うが・・・)
また、二社とも非常に多忙なのでメール返信連絡が少し遅い様で有る。
従って直接営業窓口へ電話した方が早い。(納期短縮については要相談)
現場エンジニアや保守部門担当は覚えて置いて損は無いだろう。
上記以外にも同様のサービスを展開して居る社は有るのだが、信頼性の面で
敵わない事は事実だ。
蛇足)
旧いシーケンサやサーボパックのデータは暇な時に232Cや422経由で
吸い出して置いた方が良い。時折、パスワードが掛かって居る時があり
吸出し不可能な事があるのだが入出力端子にロガーを当てて装置を一通り
動かすと、有る程度リバースエンジニアリング※は出来る。
非常に面倒な作業だが、逆追いでラダーを書く手段を身に着けて置くと良いだろう。
(※中小型装置の場合、精々数千ステップで終わる)