以前紹介したと思うが、全真空管式無線機のGemtronics GTX-2300のモディファイ
を実施した。この無線機は10mAMにコンバージョンしたのだが、受信の癖が
あるため今回改めて改善を行った物である。
(モリソバ配線で嫌に成ってはいけない)
癖だが、回路内部に実装されて居るANL回路のせいで微弱なEs信号や
Esを判断する上でのバズ音が聞き取れない。
そのせいで中々、出番が無い。オール真空管機の為、変調度は非常に深いので現用に
戻そうとの試みでも有る(外部コンプレッサ等は一切不要だ)
尚、NASAの23VBと回路はほぼ一緒なので、同一機種ユーザの一助と成れば
幸いで有る。何故、正面パネルにANL切替スイッチを設けなかったのか疑問
なのだが、メーカも時折お節介な罠を仕掛けているので気が抜けない(笑)
先ずは回路図。
赤枠内が問題のANL回路である。C29 100PFの端や
C31 0.01μFの端を浮かすだけでANLから分離する事が判る。
IFT T5からANLを分離する事により、多少同調容量が変化するので
改造後にT5のトラッキング調整が必要である。
(感度も数デシベル上昇するようだ)
次にパーツロケーション。
製造時期によりパーツロケーションは多少異なる。
IFTに付いているダイオード2本がロケーションマーカとなるので
探しやすいと思う。
上記の画像の通り、配線変更をすればANL回路はバイパス出来る。
その後、T5の受信トラッキング調整をするがほんの2,3度位の角度で
感度最高点になった。
改造前の感度はシグナルジェネレータのパイロット信号0dBがかすかに
聞き取れる位だったが、改善後はー9dBでもハッキリとマーカ音が聴こえる。
また、肝心の空電や周辺ノイズ、非常に微弱なEs信号も拾えてFBで有る。
これでまた楽しく交信が出来るだろう。
(尚、本機種は少し近接スプリアスが出る・・各局被ったら失礼・・)
しかし・・・暑い
この機種は非常に高温となる。ファンを追加で付けるかこれまた思案中だ。