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Channel: 極私的10mAM 無線通信研究所
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真空管マイクアンプと組み合わせて蘇えるIC-726S

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今日は、筆者です。

イメージ 3
(筆者近影)

一時期ラインナップから外していたアイコムのIC-726だが整備を行い
汎用HF機として使えるまでに持って来た。

イメージ 1
(物置からの復活)

IC-726のよく有る故障としては・・・

①PLLロック外れ(特定周波数やバンドが送信受信不能となる)
②リレー接点劣化による感度低下や送信出力喪失
③6mバンドのみ不調
④内部受信プリアンプの増幅不良
⑤モード切替不調(SSB、AM、FM)

など様々出て来て、頭を悩ませる。726は3枚おろしのユニット基盤のせいで
整備が物凄くやりにくい。修理が完了してもバラック状態で数日放置して
様子を見ないと新たな故障が発生する場合も多く、工数が掛る。
こういった無線機は故障しても手を付ける気に成らない。

暫く放って置いた726だが、合間を利用して修理整備を行いマイクテストを
行うが音声の乗りが非常に悪い。回路図と現物を見るが故障では無さそうだ。
元々、音声増幅ラインが弱いのである。面倒なのでそのまま使おうとしたが
ハンドマイクにガナってもAMのパンチが無い。

アドニス等のデスクマイクを接続すると、ゲイン不足は解消されるのだが
これでは面白く無い。そこで先に作った例のパクリ物(真空管式マイクアンプ)の
出番である。726修理と真空管マイクアンプ製作はほぼ同時並行で行って居る。
暫く記事更新が無かったのはその為で有る、ご了承頂きたい。

さて、件の真空管式マイクアンプ(VTM-101)だが先日ロードテストも
終了したのでIC-726Sと接続する。筆者の無線機コードは全てアドニス
配線で統一してある。無線機メーカ毎に入出力のピンアサインが異なるのは
アクセサリ製作時に多大な障害と成るし、合わせ込みが面倒で汎用性が無い。

一時期(と云っても数十年前だが)各メーカがピンアサイン統一の検討を
行って居たらしいが、自社の純正アクセサリの売れ行きが鈍く成るとの事で
自然消滅した様だ。どうもJAのメーカ(全般的に)は自社基準に拘る様だ。
これではユーザの選択幅を奪う事になるのだが、(俺は八重洲しか使わない!)
とか云う方も居るので何とも云えない。

・・・

接続するマイクは手持ちのAKGを使う。
AKGは歴史が旧いメーカなので、音の出し方やマイクロフォン構造に特色があり
経年劣化が少ないラインナップを作って居る。
以前、マイクは消耗品と記事を打ったがこれは無線機用のハンドマイクの事で
プロユースで採用されて居るマイクには余り当てはまらない。

次に種類だが、コンデンサ型、ダイナミック型の二種に成るがAM通信用では
大声でガナる場合も有るので吹かれに強いダイナミックを選択する。
またFMなどの広帯域交信にはコンデンサ型が良いと思うのだが、AMの占有帯域
6Khzとなるとダイナミックがベストだろう。

全てのセッティングを終え、726へダミーロードを接続し入力レベルを別の
無線機でモニタしながら調整する。今迄、726のAMは余りプラス変調(?)
しなかったのだがVTM-101側でアウトプットレベルを調整すると
可也りのスイングをする。過入力で音声が潰れぬか心配だったが、モニタして
いる限りでは問題は無さそうだ。

ここで、マイクをSHURE社のSM57に交換する。

イメージ 2
(結局、筆者定番のマイクに戻した)

低域特性はSM57の方が太いのでAMには良いとの考えだ。
再度微調整を行いモニタすると・・・

これユニデン系の音質と
同じだろ?

思いがけぬ好結果が出た様だ。筆者の場合ユニデン系は嫌いなのでカルメン社の
ラインナップを使うのだが(カルメンゴールドは素晴らしいと思う)汎用HF機で
似たような音が出るとは・・・

調子に乗って、外付けコンプレッサを挿入して見るが著しく音が汚くなる。
・・・音のバランスが悪く成り、一言で云うと下品なので有る。
接続を切り離し、元のVTM-101と726を繋ぐ。
再度、音を確認するとこちらの方が良い。余計な事をしない方が良い。

組み合わせる無線機、インプット側のマイクを順次変更し今回のVTM-101
を生かして行きたいと思う。
数年前にも同じ事をしているのだが今回は仕様の異なる真空管式マイクアンプ
なので、ああでもない、こうでもないと云いながら暫く楽しめそうだ。

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