Quantcast
Channel: 極私的10mAM 無線通信研究所
Viewing all articles
Browse latest Browse all 686

SWR計の修理(DAIWA CN-101L)その後

$
0
0
先日不調を発見したダイワのSWR計だが、嫌々ながら部品を全て植え替た。

イメージ 1

接触不良だった半固定抵抗と固定抵抗、キャパシタ等は部品を在庫して居たので
探し出すのに苦労したが20分程で作業は終わった。

イメージ 2
(今回は簡易封止タイプのVRしたので10年はイケるだろう)

・メータキャリブレーション(校正)

さて、課題の校正だが1次標準となるSWR計はどれが良いかと云う事になる。

イメージ 3
(昨年末にメーカに送り校正してもらったSX-200)

各メーカのSWR計を所有しているが、第一電波工業の物は測定誤差が4パーセント
程度なので、この表示をCN-101Lへ移す事にする。

・脅威の入札率(笑)

今年の春先に某オークションでローデシュワルツのデジタル電力計の出物が
あり参加したが、入り札が120件オーバと大接戦となり見事に競り負けた。
最後まで粘ったが延長に次ぐ延長で根負け。
あの時、諦めなかったら今回の校正は非常に楽だったと悔やまれる。
終了5秒前でシツコク入れるジジイは何なの?(笑)いい加減にしろと。
今度は思い切りドカンと入れたろ。(それでも最近ダメなんだよね)

・キャリブレーションの難しさ

アナログ工業用計器ではフルスケール、ハーフスケール、最小スケールと3点校正を
行うのが通常である。(上り、下りを含めて)
しかし、このSWR計(市場に出回って居るアマ用全般ほぼ全て)の校正範囲は
フルスケール時の調整ポイントでしか機能として実装されていない。

つまり、中間値や半端な測定値の測定誤差は(メータ自体の誤差+分圧抵抗+
ダイオード検波電圧+周波数応答性)が加味されるので修正不可能である。

どこまでの誤差を許すのかは商売用の計器では無い為、好き勝手に自分で決めれる
5パーセントから8パーセント以内であれば上出来とも云える。※
分圧レンジ(測定レンジ)と周波数が高い程誤差が大きく振れる事が容易に
予想される。(仕上がりもそうだった)
※出力レンジにおいて(SWR値は重要なので適当とは行かない)

・実際の校正

50Ω、75Ωのダミーロードを接続し、各測定レンジの最大値を入力し
出力値から行う。前記のとおりSWR校正が済んで居る第一電波のSWR計で
正確な出力を読み、同軸を切替えてCN-101Lの半固定抵抗を調整する。
基盤右側にある3つのVRが出力調整VR(L、M、Lレンジ)である。
(今回の場合常用周波数の28メガ台を入力して調整 当然周波数毎の誤差はある)

イメージ 4
(正確な回転確度が得られる精密VRの方が良いかも知れない)
(ここは修理コストの悩み所)

出力校正を行った後、リファレンシャル側(反射波)側の校正を行う。
50Ωで1,1付近、75Ωで1,5付近とそれぞれ調整する。
続いて、予めSWRが判明して居るアンテナを接続し近似値が得られるか確認。

ダミーロード入力時とアンテナ接続時のSWR表示値は若干異なるのが普通だ。
筆者の場合、現実を考えてアンテナ側SWR値を優先してリファレンシャル側を
再調整した。

SWR値の誤差は0.2程度だが、どうもしっくり来ない。
VRを微調整しても追い込めないので、結合ユニットを調整する。

イメージ 5
(調整は非常に微妙なので、結合ユニット調整はお勧めしない)
(調整前にCTの頭にマーキングを行い原点ポイントを付ける)
(上の封印を破って、セラミックドライバで調整)

ユニット中央部の左右に可変キャパシタがあるが、左は出力調整、右はリファレン
シャル調整である。今回はSWR値なので、右のTCを調整して差分の0.2を
オフセットすると上手く行った。

この半固定CTやVRは非常に曲者で、当時は露出タイプが多用されている
為、長年の空気暴露で摺動面や接触面の抵抗が変化する傾向にある。
そのため、交換再調整作業は必須だ。

イメージ 6
(いつもの癌)

小型のVRやTCの接触不良は接点洗浄剤では修理不可能である。
例え、一時的に容量が復活したとしても数日後に不良が再発するので思い切って
交換した方が調整時に気持ち良く数値を追い込める。

ケースを閉め、付着した汚れを落とすと何だが妙な愛着が出て来る。
物に固執するのは良く無いのだが、メータ本体が壊れるまでしつこく使ってみよう。
オークションも
しつこいぞ、くそー(笑)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 686

Trending Articles