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Channel: 極私的10mAM 無線通信研究所
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1962年 ソ連 リフレクター連合企業所製作 6H8C(6N8C)

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数日前に秋葉原で真空管を入手する際、散々な目に遭ったのは記憶に新しい。

筆者は2014年のハムフェアで音造り研究会(オトケン)で真空管式
マイクアンプキット(GMS-07GT)を入手し組み立て使用して居たのだが
先の記事にも有る通り付属真空管(タングソル6SN7GTーB)が酷使に
より寿命が来て仕舞って居る為の代替球入手に四苦八苦している。

現地入手は完全に諦め、不安では有るが某オークションで入手する事にした。

送信管以外の真空管はライフが長い筈だが、3000時間以上使用しているので
良く持った方だと思う。

さて、球に詳しい諸氏ならご存知の通り、6SN7は高い
出自がハッキリしておれば国産、輸入品問わず3極管の癖に1本5千円近辺の
プライスが付く。

イメージ 1
(左の6SN7はお陀仏 右の地味なのが(笑)本家の露助6H8C)

最近では製造メーカも商売が上手くて、6SN7をST管バージョンや古典球の
形をさせて1本数万で売り込みを掛けておりタチが悪い

オーディオ野朗は食いつくかも知れないが、
ハッタリ重視の業界は
拒否したい
そこで足元を見られる純正品番は諦め、互換球を入手。

到着した球は以下の通りである。
(ソ連風に云えばリフレクタ連合企業所製造 6H8C OTKチェック品)
である。

ソ連球はスベトラーナとかボストーク、五角形マークのVENZだが宇宙産業
計器を手掛けるリフレクタ製も悪くない。※
(※好みによるがVENZの真空管は外れが無く安価だ)
(総じて、旧ソ連の真空管の市場評価は低いが東欧のメーカと比較すると
 良質な物が多い。単に商売が下手なだけで、性能は十分確保している)

余り知られて居ない事だが、ソ連の真空管工場の殆どは原子化学コンビナート※の
中に位置しており、何に使って居たかは明白である。
(※核燃料再処理や原子力プラントの事をソ連では化学コンビナートと称して居る)

イメージ 6
(6H8Sボトムビュー ピン配置は互換だが、動作点が少し6SN7とは違う)

生産は1962年、今から54年前の品物である。
パッと見、送信管らしい構造をしているが3極部が2枚入ったゴツい構造だ。
ゲッタはサイドタイプだが、少し蒸着量が少ない様な気がする。
管材は良質なものが使われて居る様だ。

イメージ 2
(送信管っぽくて間違いそう)

ハカマはソ連の真空管らしく、黒色ベークライトでありピン接合のハンダ処理が
甘い。当時は消耗品扱いだったので、造りが甘くても動けば良いとの判断
なのだろう。

イメージ 3
(ピンの溶接が甘い)

ソ連球の放出品はOTK刻印がされた物が多く、軍用物資である事は明らか
なのだが稀にインチキな品物
合って、明らかに最近製造(ソブテックとか)の球なのにOTKマークを付けて
妙に価格を上げている物がある(笑)

イメージ 4
(OTK刻印=Osorosiku-Takai-Kyabakura)

一昨年まで、RF半導体の偽物が出回っていたがこれに通じる背景が有るのだろう。
絡んでいる連中も同一犯人だと思う(シナ人だと思うが)

早速、旧い球を抜いて6H8Sをブッ込む。
元々の6SN7GTはBサフィックスのクイックスタート球なので
直ぐ音が出たのだが、6H8Sは20秒チョイ暖機時間が必要なのが難点だ。

・・・・音は申し分無い。オーディオオタク流に云うとダイナミックレンジが
広い(笑)AM送信で音が削られるんだけどね。

また球特有のクリアな音が出る(ノイズが無いって事)・・・しかし
ヒータ電流が思いの外流れるようで、三端子レギュレータが直ぐに熱く成った。

表面温度は48,3度に。アルミダイキャストのゴツいケースでも
放熱容量が足りなくなる可能性が・・・大丈夫か・・喰い過ぎじゃないかこれ?

イメージ 5
(Ihが600mAと書かれて居るが絶対に嘘だ(笑))

表面温度が48℃と云う事は素子内部では90度以上に成って居る筈で
レギュレータの熱容量安全マージンが僅かしか無い状態だ。

イメージ 7
(復活しました)

さて、これからどうしようか・・・様子見。
まあでも性能的には問題無いので、使えると云えば使える。

30分連続運転して見たが、懸念して居た温度上昇は落ち着いたようで
電源周りの心配は杞憂に終わった様だ。

さて、真空管の話をすると妙な輩が絡んで来るので断って置くが・・・

真空管の良否は直ぐに出る。良く何時間もヒータを炊いてどうのこうの
と言うが発熱により動作点が変化するのは当たり前で、それを音の良し悪しと
判断するのはデマでしか無い。逆に発熱により音質が変化するようなセットは
所有する意味は無いだろう。それは壊れているか設計がおかしい。

また眠って居た球のガス抜き云々も迷信で、長期間保存で真空度が低下する可能性
の有る球なぞ後年実用に耐えないだろうと思う。

妙な信仰は滑稽であるので、止して欲しいと思う。

音がまろやかとか、アタックの大小とか云う奴に碌な者は居ない。
人間ぞれぞれ聴覚が異なるので、充てに成らない。

筆者の場合、無線用ではS/N比が良好なので真空管を使用しているだけの事だ。
また、単なる部品としか見て居ない。
他のデバイスで代用が効くようなら、そっちへ移行したい位だ・・・
FET?静電気に弱いし寿命が短い。

面倒くさいねー(笑)

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