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Channel: 極私的10mAM 無線通信研究所
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復活するかC450(スタンダード通信機製)

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今日は10mAMの話では無い。

突然だが、C450死亡。

開かずのダンボールを整理していると・・・
数十年前に熱中したU,VHF用無線機が出てきた。

中にはフェアメイト※の受令機や用途不明の部品など詰まっておりゴミ箱の如く
埃っぽい様相を呈している。(だからガラクタ箱と云うのか・・・)
※分解残骸

イメージ 7
貧乏青年の味方 フェアメイト)

細かい部品を選別して整理するのは無駄で有るし、活用方法が見つからない
ので週末のゴミ集積場行きとなるだろう。

画像は発掘した、スタンダード通信機製のC450とC460。

イメージ 1
(感度は良かったと記憶している)

何故、複数台あるかと云うと当時無線仲間とリグを物々交換していた経緯も
あり自然と集まったものである

現在、2m 430Mhz帯もオンエア局数は少なくCQを出しても全くの空振り
であるが当時は結構賑わっていた記憶がある。※
(※某山頂でのオンエア時、蜂に追い掛け回されコケてアンテナを壊した記憶有)

さて、今でも使用可能なのか。
順次外部電源を入れてチェックしてみよう。

・・・・・・

電源を入れると、C450はPTT操作をしていないにも関わらず
送信状態となってしまう。

断続的に送信を反復しているようだ。

バックアップバッテリが腐っているのか、CPU周りのコントロールが
上手く働いて居ない様である。何処かショートしている様な症状だ。

次にC460。

液晶面に滲みがあるものの、正常に動作する。
超広域アナログレピータにもアクセス出来、あっさりと使用可能である。
ニッカドバッテリも充電出来そうだ。しめしめ。

問題はC450である。
どうせ使用していなかったリグなので、壊す前提で?C450不動機の中を開封して
修理可能かアタリを付ける事にする。

この時代のスタンダード機は多層基盤を使用している可能性があり
その場合は極少パターンなので少しでも手元が狂うと修理は難航しそうな事が
予想される。

さて、タッピングビスを数本外すとカニの殻の如くパカッと本体が開いた。※
(※当地には蟹食い放題の店は無く困っている)

どれどれ。

イメージ 2
(定価が高い理由が判る)

ん?表面実装用電解コンデンサ付近に粉が確認出来る。
シール部が開いて電解液が漏れ出した様な痕跡だ。

電解液が乾燥して、粉を吹いて居るのである。
乾燥具合から、昨日今日漏れ出たものでは無いらしい。年季が入っている。

イメージ 3
(半田面に沿って電解液がブチブチと)

これは最悪パターンである。

ルーペで良く見ると、ガラエポのレジスト面下も侵している様にも見える。
原因はこいつらである。(半田面近くのシミが不景気な色を呈している)

イメージ 4
(年末なのでゲロ吐いてます)

アルコールで洗浄しても、パターン積層面に浸透した電解液を完全除去出来るか
どうか疑わしい。修理成功率は半々と思える。

イメージ 5
(黄色のリードタイプコンデンサも膨れているが、電池はゲロって無いらしい)

ここでいつもの駄文

よく、火災なり海水水没したPCB(プリントカッパボード)の復活はどのような
手順で行われるかご紹介したいと思う。電解液汚染も同様だ。

各社大体似た手順で行われる。(泣きながらボードを外す工程は省略して・・・)

1 実装されたバッテリ関係を一切取り外し、数回の純水洗浄。

2 純水槽にPCBを浸漬して塩分なり、消火剤を純水へ移行させる。

3 純水中のナトリウム濃度、ハロゲン成分を分析して数PPMオーダに
  なるまで浸漬洗浄を繰り返す。(1時間以上掛け流し)

4 洗浄後、真空乾燥機(大気圧より少し低い位)を利用して完全に水分
  を飛ばす。(低温度のプレヒータも併用して じっくり12hr程度)※
  ※ボードが薄かったり、乾燥が速いと反ってしまう

5 更に、室内乾燥24時間放置後、通電チェック

基盤が汚染液と接触していた時間が長いと、工程を繰り返しても復活
しないパターンが多い。(3年前に、とある事故で数百枚洗浄した経験から云う)

又、部品によっては真空引きしている最中にパーツに使用されている
充填剤が漏れ出るパターンもあり各工程で細心の注意が要求される。

最近では、この手の嫌な業務を外資系の修理メーカ(独立系)が引き受けて
いるので代替が利かないボード修理の強い味方になってくれるであろう※
(※ベルフォアジャパン扱 金額は高い要見積)
https://www.belfor.com/ja/jp/jing-yan/chan-ye/dian-zi-ji-qi

話を戻す・・・

洗浄するのは簡単であるが、問題は真空乾燥だ。

丁度、運悪く手持ちの真空デシケータは長期間使用せず邪魔だったので
今年の7月にカラスをブチ割り粉々にしてゴミに出してしまった。
(ポンプと温調ユニットは残骸としてある)

イメージ 6
(・・・)

捨てる時に迷い躊躇していたのだが、後の祭りである。
再購入を考え検索すると・・・6万2千円!!(zzz)
捨てなきゃ良かったと今更後悔

復活確立が半々なので追い金は出せない・・・
圧力鍋に穴を開けて代用しても良いが、乾燥中に内部状態が見えないので
不安だ・・・(穴をあけると、家人から大顰蹙を買う可能性が高い)

さて、どうするか・・・ったく90年代のコンデンサは手を焼くよ・・・
(コンデンサ屋が悪い 長期評価試験をせずに市場投入した結果がこうである)

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