中古の無線機アクセサリや無線機本体ケースは錆びが上って居たり、大きな傷が
ついて居る事が多く余り気持ちの良い物では無い。
再塗装は冬季の為乾きが非常に遅く、塗装ムラになりそうなので違う方法で
ケース再生を試みて良好な結果を得たので紹介したい。
(他局もやっているかも知れないが・・・)
(ボロケースの例)
M3トラスビスの山が潰れて居るのでこれを使う。
FAメンテナンス業界に通じている方はお馴染みのネジザウルスである。
カム山が潰れたビスはこれで一発だ。
咥えたら瞬間的にテンションを掛けると、緩む。
ペンチやラジペンでも代用可能だが、大体失敗する(笑)
さて、ケースが外れた。サビや傷の範囲が非常に広い・・・・
ケースを外して、軽くスコッチブライト※を当てて塗装を50ミクロン程度
剥がす。(研磨ペーパ)
こちらはブライト後の画像。ケース凹凸を少し削って平らに均す。
サビは残って居るが、完全には取らない。更に手脂や汚れをアルコール等で取る。
(次工程の準備までホコリ付着を防ぐためビニール袋などへケースを入れ養生する)
続いてこちらを用意する。
大創産業で販売されている、デコレーションシート @108円
(※地方では取り扱いの無い店舗がある。非常に品薄傾向。何で?)
同社製パテヘラだ。(無くとも平面が出せるツールがあれば代用可能)
デコレーションシートで傷を覆って仕舞おうとの試みである。
以下作業工程(今回は中抜きせず撮影してある 笑)
(こちらはケース底面)
模様の一体感を出す為に、2枚のケースは予め合体させてある。
シートのカットサイズは板金より少し大きめに切断する。
ギリギリなサイズだと板金が歪んでいる場合、ズレるからだ。
ドライヤで板金※にある程度熱を掛けてから、冷めない内にグルっとシートを巻き
つける。(温度は45度前後。これ以上高いとシートが伸びて仕舞う)
コツは一気に貼り付ける事。モタモタすると温度が下がり、シート糊の接着
強度が下がる。(※板金ケースだけ熱する。シートには熱をかけない)
・・・途中でシートが足りなく成ったので・・・つぎ足し。
底面側なので、気には成らないのだがもう少しシートサイズが大きければ
一筆書きで貼り付け可能なのだが贅沢は云えない、なんせ108円。
足りない分は短手方向で余ったシートを切り貼り。
(こちらは目立つ上面側)
気泡が入らない様にヘラでシートを板金に密着させる。
強く力を入れると、シートのエンボス模様に傷が入るので力の掛け方が
少し難しいかも知れない。とにかく素早くだ。
此処までの作業時間は2分。板金が冷めるとシートの糊が強烈に密着して
ちょっとやそっとでは剥がれない。
貼り付け後は絶対にドライヤで炙らない事。
(ケース凹凸内の空気が膨張してえらい事になる)
カッタを使い、シート余白を切断すると・・・・
はい、この通り綺麗に仕上がった。まだ終わりでは無い、ビス穴を抜かなければ
成らない。
鋭角カッタを使用。
はい作業終了、ケース復活。ここまでの時間は約10分。
画像を追って見ると、(何だ大した事ねえじゃねーか)と思われる方も居るだろう。
気泡無くバシッと決めるにはある程度(手先の器用さ)が必要とされる。
携帯電話画面の保護シール貼り付けが苦手な方は苦労すると思う(笑)
さて、回路を入れて組み立て直すと中古品でも気持ち良く使えそうだ。