実験や簡易測定時に使用しているSWR計が故障した。
SWR計が壊れる事は滅多に無いのだが、故障原因を探って修理を試みたい。
筆者の場合、基準計器の自己修理は着手しない方針※なのだが製造元に問い合わせを
したら修理不可能との連絡があったので仕方無い。
(※校正のトレースが取れないし、自分で修理する場合ある程度妥協しなければ
成らないのが嫌な為)
画像はダイワインダストリー製のCN-101L。
以前に富士無線の名古屋店で購入したものだ。
可也り値引きして貰った記憶がある。
故障内容としては、150W及び1.5KWレンジの振れ幅がおかしい
加えて、150Wレンジに至っては40ワット程入れないと針が振れない。
ロワー側最低の15ワットレンジは正常なのだが、各レンジとも入力に対して
リニアスケール表示に成らない。これでは測定機として失格だ。
キャビネットカバーを空けると、測定回路自体はシンプルだ。
アンテナ結合ボックスと各レンジに対応する整流ダイオードと抵抗の単純なる
構成だ。
レンジの振れがおかしいと云う事は、整流ダイオードの故障だろうとアタリを
付ける。ガラスダイオードは1S1588とゲルマの1N60相当品が
割り当てられて居る。メータの振れはこのダイオードが担って居るため、
非常に重要な部品だ。
また数値の直線性も、ダイオードの性能に左右されるためいい加減な物では
ダメだ。(選別が必要)
分解していて、基盤を見るとメータ校正用の半固定抵抗が酸化して接触不良
を起こして居る。テスタを当てて、抵抗を回転させるとガリが出て居る。
全ての実装品が同じ症状だ。
・・・
ざっくりと点検すると、全体的にレンジ切替ボードの部品が痛んで居る。
固定抵抗、セラミックコンデンサ(全て1000PF)の数値も上下しており
落雷にあったような症状を呈して居る。
(移動運用時海辺で常用していた事も原因の一つだろうと思う)
(ナトリウムを含む海風に当ると、セラミックコンデンサの劣化は早い)
部品点数が少ないので、今後の長期使用を考えて全ての部品を入れ替える
事にした。
まずは、ダイオードの選別から行こう。