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Channel: 極私的10mAM 無線通信研究所
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先日、手動タイプライタに関する記事を書いたら、急にアクセス数が上って
びっくりしている。(基本過疎ブログなのだが・・・)

検索キーワードを見ると、(タイプライタ 中古)や(タイプライタ 調整)とか
入手やメンテナンス、使い方に関して引っ掛かる様である。

極少数のマニアック趣味である手動タイプだが、今手に入れたい場合は
リサイクルショップかオークションを利用するしか道は無い。

そこで、中古タイプを入手する際のポイントについて幾つか説明したいと思う。
手元に着てから、実は動かないとかでは目も当てられない。

(タイプの修理専門業者は数社有るが、リペア代金は極めて高額である)
(古くから営業している小規模な町の事務機屋さんでも、修理出来る場合がある)
(狙い目は役所の周辺で営業している店で、以外と技術を持っている事が多い)


外観

・エンボス打刻部駆動アームの間隔が等しいか
(間隔がおかしいと、キー絡みでアームが曲がっている恐れがある)
アームピッチがおかしいと、素人修理は極めて困難 ※定盤が無いと平面が出せない)

・キーボード高さに著しい上下差が無いか
(キーボートは1文字づつ裏に、戻りスプリングが仕込んである)
(特定のキーボードが沈んでいる場合はスプリングが取れたりしている可能性大)

・プラテンローラがヘタっていないか
(紙押さえがバカになってると、行間隔、送りピッチが揃わない)

・ボディに破損は無いか
(衝撃が加わっていると、プレスフレームが微妙に曲がって正しく打てなくなる)

・キャリッジ関連のレバー部は錆びて居ないか。
(酷使されたタイプは手脂や汗で、レバー部分に錆びが出ている物が多い)


実動作(リサイクルショップ等で実働チェックが出来る場合)

・インクリボンを入れない状態で、白紙打ちをして全ての文字エンボス打刻圧力
 が等しくなるか。(打った後に、ペーパを光にかざして見るとハッキリする)

・キーボード押し下げ圧に不均衡は無いか。

・スペースキーやタブキーは正しく動作するか。

リボンを入れて
・リボン色切替機構が正しく動くか

・リボンガイド機構に折れや破損、曲がりが無いか

・リボン巻き取りは正常か(リバースするか)

・転写文字位置は正しいか(特にシフトロックしてからの大文字小文字位置)※
 ※(手動タイプの場合、シフト位置不良が非常に多い)
   (次いで、スペースキー送り不良 キャリッジ戻り不足など)

・リボン色切替時に行、ピッチに差が出ないか。

・印字ガイド(大抵は透明のプラ板にピッチが彫刻してある 2枚1対)の位置と
 実際の打刻文字位置が一致しているか。
 (印字ガイドが狂うと、決め打ちが出来なくなる)



ざっくりな説明で大変申し訳無いが、最低限のチェックさえパスすると正常動作
する個体が多い様だ。

パイカピッチとエリートピッチではエリートの方が文字間隔が詰まる為
ちょっとした不調で打てなくなる事が有る。
エリートピッチタイプの微調整は非常に手間が掛るので入手は避けた方が良いと
思う。(市中に出回っているタイプの殆どがPICAピッチである)

一般の方でも、タイプ修理はある程度可能だが保守部品入手や調整に時間を
要するので余程の酔狂でもない限り、諦めた方がいいだろう。※
(※メカ部の原点調整追込みを理解していないと、調整行為は破壊行為となる)


保守面

プラテンローラゴム等は太陽光線に当ると、劣化が非常に早い。
最悪、合成ゴムに割れや収縮が発生して紙送りや打刻が出来なくなる恐れが
あるので使わない場合はカバーをしておいた方が良い。※
(※ヘタると、ローラ平行が出ないので調整しても打刻不良が再発する)

以前の記事でも書いたが、注油は最低限の量で良い。
滴数で書くが、各摺動部への1回当たりの注油量は1/2~1/4滴で良い。
テフロン微粒粉入りの潤滑材は、プラ樹脂割れを誘発するのでNG。

ベアリングは、現行規格の物が使用されているので入替に手間が掛るが
交換可能である。



少しは参考になったでしょうか。また今度。

最後に余計なひとこと。

電動タイプも出回っているが運転時の騒音やスペアパーツが皆無な事
から手を出さない方が良いと思う。


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